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2012年11月24日 (土)

林丈統が、シヴァ神である件、など

 林が決めた。

 試合は確かに、千葉が握っていた。大分はカウンターに活路を見出すよりなかった。攻撃は単発だった。

 だが、86分、林が決めた。

 

 林丈統。はやしたけのり。以下、タケ、と表記する。

 

 タケは、実は2009シーズンのJ1リーグで、当時在籍していた京都のホーム西京極において、大分をJ2に降格させるゴールを挙げている。


 そのタケが、今度は青いユニフォームをまとって、千葉のゴールに襲い掛かり、大分悲願のJ1昇格へ直結するゴールを華麗に奪った。

 

 タケとは、大分にとって何者だったのか。まったく、忘れえぬ暴れ者だ。さながら破壊と再生の神シヴァ神だ。

 

 そしてタケは、長く千葉に在籍していた。サンガに来る前も千葉だったし、大分に入る前も千葉にいた。オシム監督下の千葉にも彼はいて、オシム監督をして「タケは日本で一番優れたフットボーラーだ」といわしめている。しかし心身のスタミナに問題があったのか「ただし10分間だけだがね」、の注釈がついたが。

 もとい。

 いろんなチームを渡り歩いたタケが、古巣の千葉の夢を断った。因果な男だといわねばなるまい。しかし、ドラマチックな男だ。

 ドラマチックといえば大分トリニータ自身もそうだ。

 経営が苦しく、2012年シーズンにいたっては、公式試合安定開催基金から受けいていた融資3億円を返済しないとJ1昇格の成績をあげてもそれが認められないという逆境に陥っていた。地元財界からだけではムリと判断したチームは、「J1昇格支援金」の募集を一般に対して開始、サポの熱心な協力もあって三ヵ月で目標額に到達、3億円は完済してJ1昇格の道を拓いていたのである。応援するだけでなく、財布をひらき、チームを後押しした、大分のサポは実に天晴れだ。敬意を表する。

 しかしもっとあっぱれなのは、大分トリニータのイレブンだ。サポの熱意に応えるごとく粘り強く戦い、プレーオフ圏内ぎりぎりの6位に滑り込み、3位の京都とかつて降格をあじわった西京極で対戦、これを4-0の大差でやぶり、そして千葉を国立で下して昇格を得る。

 これを天晴れといわずしてなんとする。

 だが、大分トリニータの行く先は苦しいだろう。まだ5億を越える借金をかかえている苦しい台所事情はもちろん、J2リーグでは6位だったのだ。44試合戦って、6位。上に5チームもいるのだ。そのなかで、プレーオフ制度とレギュレーションの未熟さ、そして相性のよさに恵まれての(京都とは今年3連勝。千葉についても)幸運だということを忘れてはいけない。

 J1ってところは、ほんとに弱者には厳しいところだからなあ。優しさのかけらもないぞ、ホント。

 ともあれ、来年度の健闘を期待する。がんばれ、大分トリニータ。そしてJ1・J2境界線の暴れん坊、タケ。

 

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