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2009年2月23日 (月)

必殺シリーズの分水嶺は

ナイスデイ(レンタルビデオ屋さん)飯田店に、必殺仕事人と新必殺仕事人のDVDが全巻ラインナップされています。
 私は必殺仕事人Ⅲからリアルタイムで必殺を見続けています。それ以前のシリーズは、再放送で見てきました。必殺仕事人と新必殺仕事人は行く本か見たことはありますが、第一話からきちんと見たわけではないので、ナイスデイにラインナップされたのを機会に見直すことにしました。

 私は、必殺がいつごろからいわゆる「後期必殺」になったのかわからないでいました。
「後期必殺」とは、視聴率があがって必殺の認知度が高まり「時代劇は必殺です」なんていうフレーズも耳に入るようになって一大ブランドになった反面、脚本が甘くなって(偶然、という要素が多くなる、閉鎖的すぎる、的があんまり悪くない、仕事人がいい人、無駄に大仕事がある、話の整合性がない、時節要素を取り入れすぎてしらけるなど)ピカレスクロマンの魅力がうすれてしまった後半期の必殺をいいます。

 必殺シリーズは、必殺仕掛人から始まります。最初のシリーズには中村主水は出てこず、藤田まこと演じる主水が初登場するのはシリーズ第2弾「必殺仕置人」からです。
ここから主水が主役のシリーズと主水以外が主役のシリーズが交互に放映されます。
主水シリーズをざっとあげると以下の通りです。なお、( )内は主な共演者です。

必殺仕置人 (山崎努、沖雅也)
暗闇仕留人 (石坂浩二、近藤洋介)
必殺仕置屋家業 (沖雅也、中村玉緒)
必殺仕業人 (中村敦夫、中尾ミエ)
新必殺仕置人 (山崎努、中村嘉津男、火野正平)
必殺商売人 (草笛光子、梅宮辰夫)
必殺仕事人 (伊吹吾郎、三田村邦彦)
新必殺仕事人 (三田村邦彦、中条きよし、山田五十鈴)
必殺仕事人Ⅲ (同上 + ひかる一平)
必殺仕事人Ⅳ (同上)
必殺仕事人Ⅴ (京本政樹、村上弘明)
必殺仕事人Ⅴ激闘編 (同上、柴俊夫、梅沢富美男)
必殺仕事人Ⅴ旋風編 (村上弘明、ひかる一平、出門英)
必殺仕事人Ⅴ風雲竜虎編 (村上弘明、三浦友和)
必殺仕事人 激突! (三田村邦彦、滝田栄、中村橋之介)

 で、後期必殺色がぐんと強くなったのは「必殺仕事人Ⅲ」です。シリーズ中の最高視聴率も実はここで叩き出されています。人気番組としての看板はこの時期確立したといっていいでしょう。しかし、Ⅲをもって後期必殺のはじまり、とするのは違うようです。

 Ⅲは後期必殺として完成されていました。以後、必殺・主水シリーズは安定期を迎えます。ピカレスクロマンで安定期なんておかしな話です。そうです、このころの必殺はピカレスクロマンではなくなってしまいました。誰もが安心して見られる番組になっていたのです。それはすでに必殺ではない、という声はありました。私は比較的、そちらよりの人間です。10時からという放送時間は、必殺仕事人 激突!からは9時になりました。10時からだからできたエグい悪の演出は、あまり見ることはできなくなってしまいました。あの程度の悪人は、町奉行所でなんとかしろよ、主水のオモテの仕事で十分だろ、って感じです。よほど長谷川平蔵のドラマの方がハードだし重厚です。仕事人が火付盗賊改方よりマイルドってどうよ、です。

 さて、後期必殺はいつからでしょう。「必殺仕事人Ⅲ」が後期必殺であることは明らか、と先に述べました。分水嶺は「必殺仕事人Ⅲ」以前にあるはずです。

 「必殺仕事人」、というタイトルになる直前の主水シリーズは、「必殺商売人」でした。この話は、レギュラーに梅宮辰夫、草笛光子がいるくらいですからアダルトな作品です。りつが妊娠し、最後に流産する、というセカンドストーリーもあります。主水の剣技が一番豪快だったシリーズです。この商売人は、後期必殺にはあてはまりません。

 すると、分水嶺は「必殺仕事人」か「新必殺仕事人」ということになります。で、これらの作品を見直してみました。

 「新必殺仕事人」は、後期必殺でした。中条きよし演じる三味線屋の勇次、という得がたいキャラクターの登場はあったのですが、しかしシビアさ、厳しさという意味でのアダルトさがたりません。

 で、「必殺仕事人」。これは全84話という大ロングランを記録したのですが、ずばり、この作品からが後期必殺といっていいのではないですかね。

 もっと厳密にいうと、畷左門(伊吹吾郎)が浪人を捨て、太刀を捨てた時から、後期必殺が始まった気がします。つまり、第29話です。この話から、鮎川いずみ演じるお加代が登場します。

 「必殺仕事人」は、必殺シリーズの原点回帰として制作されました。第1話から第6話まで2代目中村鴈治郎が元締・鹿三役で登場していたときは、秀逸な作品が多かったです。すげえ、と思った作品もあります。脚本がよく練られていたし、工夫もされていました。しかし、もたなかったんですね。あのハードな世界観は。仕事人に焦点をあわせてドラマをつくると、どうしても閉鎖的になるし、偶然、という要素に頼らざるを得ない展開になる。しかしそう毎回偶然に頼っていては、ドラマの重厚さは失われてくる。それでテレビシリーズを長い期間もたせるのは酷でしょう。モジュール化、パターン化が進むのもわからなくないです。(それをテレビドラマとして評価するかどうかはまたまったく別です)

 また、主水の殺し方も省エネ型が増えてきました。瞬間の剣技で殺す、から、同じ瞬間でも隙をねらってぶすりとやるシーンが増えました。視聴者にカタルシスを与える仕組みは、主水の剣技の豪快さから、殺してから悪人に吐き捨てる一言に明らかにシフトしてきました。

 渡辺小五郎にはどうかいつまでも、痛快な剣で悪を切り倒してもらいたい。必殺仕事人2009の主水は、どうせなら「とべ!必殺うらごろし」のおばちゃん(市原悦子)みたいになってもらいたい(笑)

 脱線しました。

 後期必殺は、必殺仕事人第29話から。必殺シリーズ第一作「必殺仕掛人」のオリジナルキャラクター西村左内(林与一)の焼き直しと思われる畷左門が、左内同様の浪人から市井にくだったことで、この作品の大きなテーマのひとつである「矜持」を太刀と同時に捨てた。そしてそのとき、後に「時代劇は必殺です」とブラウン管のむこうから笑顔で語りかける鮎川いずみが登場した。ここから、アダルトで一筋縄ではいかないピカレスクロマンの必殺、とは別の必殺がはじまったと言っていいのではないでしょうか。

 

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