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2009年1月10日 (土)

テレマークスキー

 今日はウィンターシーズンはずっと愛用している(そのわりに技術はなかなか向上しない(笑))テレマークスキーについて、ちょっと紹介してみようと思う。

 スキーの原型ということはみなさんご存知だが、意外なことにテレマークの語源はノルウェーのある地方「テレマルク」に由来するらしい。

■ビンディング
 つま先だけ固定して、かかとは上下に動かすことができる(ヒールフリー)。私は長靴以外で雪の上に行くときにはおよそ5割程度がテレマークスキーだ。ゲレンデでもそうだ。アルペンスキーの指導をするときもテレマークであることが多い。ヒールフリーの威力は絶大で、とにかく動きやすい。
 つま先に突出しているコバの底面にある3つの穴をビンディングの先にある突起にさし、その上からコバを金具で固定するスリーピン方式と、コバを固定してかかとをぐるりとケーブルで固定するケーブル式のふたつが主流である。
 現在はステップイン方式などいろいろあるようだ。 

■板
 いろいろある。基本的には次のように考える。
 機動性重視なら軽いストレートな板。滑降重視なら重いカービングの板。

■滑り止め
 大きく二つの考え方がある。
 板にウロコをほり、それで抵抗をつける方法と、毛状のシール(かつてはアザラシやアンゴラの皮を利用したが現在はナイロン製のものが主流)をつける方法である。
 テレマークは板をはいたまま上り下りができることが特徴なので、滑り止めの装備は必須。シール方式の方が登攀能力は高いが面倒ではある。ウロコ方式はシールの脱着が不要なぶん軽快だが、登坂能力はシールに譲る。
 なお、シールは後ろにはすべらないが前には進みやすい。いよいよ滑降オンリーだ!という場面ではずせばいいという考え方もある。
 私はめんどくさがりやなので、ウロコ式を活用している。が、シール式もある。

■ブーツ
 長く皮の靴が主流だった。皮のため、まあ登山靴と似たような風合いだし、歩きやすい。一方で足首が固定しずらく滑降には工夫を要する。
 ヒールフリーであることと安定性にかく靴をはくことで、テレマークターンという独特の技術が必要になるわけだ。が、名人にいわせると、テレマークスキーでアルペンのターンはほぼできる、という人もいる。ゆるい斜面なら、私もできていそうな気がする。

■プラブーツ!!
 1993年にイタリアのスカルパ社がプラスチック製のブーツを発表してからは、他社の追随もあり、たちまちこちらが主力となった。私も試したことがあるが、とにかく足首が安定する。だから滑降能力が飛躍的に向上する。これはテレマーク界における革命で、以降テレマークスキーはターン能力、滑降能力を競って向上させることになる。
 が、だったらアルペンやってりゃいいじゃないか。オフピステに行くんなら山スキー(歩行時、登攀時はヒールフリーになり、滑降時はヒールを固定できるビンディングを使うスキー)やりゃいいじゃないか、という見解もある。テレマークの優雅でスローな雰囲気を愛する原理主義者のいいぶんである。私はどちらかというと原理主義者である(笑)

■ストック
 滑降時はもちろん歩行時や登攀時にも使用することと、オフピステ(ゲレンデ以外)での使用が前提ということもあり、やや長めでリングも大きめである。
 しかし、使用する現場に応じて、たとえば今日はゲレンデでしかすべらないよ、なんてときは、アルペン用のストックでなんら困ることはない。

■テレマークターン
 これが難しい。この難しさが、テレマークの普及を阻害し続けた。
 難しい理由は歩行のしやすさのために皮革製の靴を使用し、ビンディングをヒールフリーにしたことと密接に関係する。とにかくターンの際に板を安定させることが困難なのだ。だから、ターン開始時に外側の足を前に出し内エッジ側に加重、もう片方の足は後ろに引き、膝をまげて踵をうかし親指の付け根に加重する。まったくユニークなターンだ。おかげでゲレンデでよく目立つ。

■スノーシューとの競合と敗北(?)
 テレマークのフィールド重なるのがスノーシューのフィールドだ。どこにでもいけるテレマークとはいえ、難度の高い斜面は苦手だ。もっともプラブーツの登場以降、そうした斜面に挑戦できる技術的背景は出来てきたし、実際そういうところにもテレマーカーが出現するようにはなってきたが。
 ともあれ水平志向のテレマーカーは1990年代後半にはスノーシューに鞍替えする者が多数出た。東北地方にある自然学校の校長は、あきらかにその頃にそれぞれの利用者数が逆転した、と証言している。
 私も、スノーシューを愛用している。スノーシューは滑降することは放棄したかわりに、転倒する危険性もなくした。また滑降しないために難しいターンの習得をしなくていい。速度は落ちるが止まる曲がるはとにかく容易で歩くのと変わらない。練習がほとんど不要なのだ。
 練習なしで雪原に出られるなんて、やっぱ魅力だろう。
 私としてはカメラ機材をかついで雪原に出ることが多いので、やはり転倒は怖い。そうすると、撮影メインの場合はテレマークを躊躇することが出てくる。

■テレマークはワルツだ。
 でも、テレマークを放棄する気にはなれない。機動力があって滑れる道具としての魅力は中途半端、という言い方ができても、私の判官びいきなところや中途半端好きなところがそうさせるのか、テレマークをきらいになれない。
 自転車とバイクと自動車が共存しているように、テレマークとアルペンとスノーシュー(その他もろもろ)はみんなちがってみんないいのだ。
 とりわけ、テレマーク好きになる前の壁であるテレマークターン。いかにもスローで優雅なテレマークターン(滑降好きのテレマーカーのターンはそうではない)は、見た目も
ターンのタイミングも希少性もそれから求心力も、なんとなく、ワルツなのだ。


 

  

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