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2007年11月 8日 (木)

元祖むらさき観戦記12

その3

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 父、母と義妹が来るまでしばらく時間があった。私は娘と軽食コーナーへ買い出しに向かった。熱燗と、こどもたちにフランクフルトと牛串を買った。先日誕生日を迎えた娘との約束で、サンガのフラッグを買おうとしたが、あいにく売り切れていたのでマスコットのコトノちゃんの縫いぐるみを購入した。娘は大喜びしてくれた。
「次は旗ね」
娘はにくらしいほどかわいい笑顔を浮かべて、「あたしは旗をあきらめていないからね」というメッセージをキチンと伝えた。
 息子達は絶対J1シャツを着込んだ。私もジャンパーの上から着た。もちろん妻もだ。もらったタオルは頭にまいた。まわりの人たちも同じような格好である。
 スタジアムではDJが観客にTシャツの着用を依頼していた。またタオルを広げて頭の上で掲げてくださーい、と声をかけた。バックスタンドは紫一色になった。壮観だった。
「合い言葉は、絶対J1。みなさんの力を選手にくださーい」
DJの絶叫が西京極に響く。ホームゴール裏ではサポーターが応援歌を歌っている。大きな旗を振り回している。
 そうした様子を撮影してると、デジカメを持った女性が私達のそばにやってきた。
「サンガのホームページ担当の者ですが、お写真とらせていただいていいですか」
その女性がいった。サンガのホームページでは試合ごとにスタンドの様子を撮影して掲載している。私はそのことを知っていたので、
「ぜひお願いします」
と二つ返事。
「どこから来られたのですか?」
撮影しながらその女性が質問した。
「長野県からです」
と答えた。
「ええ?そんな遠くから・・・観戦は初めてですか?」
「いえ、あの、2ndステージ4回目です。えっと、実家がこのすぐすばなんでぇ・・」
なぜか言い訳がましくなってしまう私。その方は
「そうですか、応援ありがとうございます。うれしいです」
と深々と頭を下げて下さった。
「ねえ、ホームページ載るの?」
「京都パープルサンガのホームページに?」
その女性が去ってすぐ、息子たちが訊ねる。
「そうみたいだな、なんかうれしいな」
私が答える。
「うん」
「うん」
ふたりの息子がうなずく。息子ふたりと私の3人が写ったこの時の写真は、今でもサンガのホームページにある。きっと新しいシーズンを迎えるまでそのままだろう。

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 太陽が西に傾いてきた。11月末の風は冷たい。しかしスタジアムのボルテージは序々に高まってきたようだ。ホームゴール裏のサポーターの中には、もう上半身裸の者がいる。
 アウェイのゴール裏も、この日はいつもと違った。敵チームのサポーター席はいつも空席が目立つのだが、今日のヴィッセル神戸のサポーターはかなりの人数だった。
 神戸は近い。電車でおそらく1時間半程度ではないか。接続もいいから高学年くらいだと自力で移動できる。
 しかし、他にも重要な要素がある。
 神戸はこのゲームに勝つと、最終節を待たずにJ1残留が決まることになる。たとえ最終節で負け、ライバルチームが全てのゲームに勝ったとしても、降格ラインの15位以下になることはなくなるのだ。神戸にとっても、非常に重要なゲームなのだ。サポーターの多さも頷ける。
 一方、サンガはすでに崖っぷち。この試合に敗れると、今節の大分戦の結果如何によっては降格が決まってしまう。私もいろいろとスポーツ観戦をしてきたが、こんなに重要なゲームを目撃したことはない。
 サンガは、ヴィッセル神戸とはこの西京極で対戦して負けたことがない。その上、今シーズン1stステージでは敵地で神戸を撃破している。残留争い直接対決第3ラウンドは、そうした有利さを思わせる条件が目についた。いや、目につかせたというべきか。
 いつのまにか、試合開始1時間前。父母や義妹とも合流できた。義妹のおなかには赤ちゃんが宿っている。あんまり興奮しないで済むゲームにしてほしいなあ、さっさと先取点とってさ、なんて都合のいいことを考える。

 試合開始前に、サンガの選手がミニサインボールをスタンドに投げ込むイベントがある。私たちが陣取っているあたりは、よく投げ込まれるスペースのひとつだ。
 選手がボールを持って登場すると、スタンドのこどもたちは一斉に立ち上がる。中にはグランド近くまで急いで降りていく子もいる。
 ボールが次々投げ込まれる。そのうちのひとつが、運良く妻の所にとんできた。妻が立ち上がり、手を伸ばす。妻は飛び込んできたボールを捕まえ損ねて下に落とすが、すばやくしゃがんでしっかり握った。そして、やったーという顔で私を見る。
 下の息子がそれをとりあげようとする。妻は一旦制そうとしたが、ちょっと考えてボールを手渡した。
 カバンをとられてしまった息子へのいたわりの気持ちだろう。私もそうしてやってほしいと思っていたので、うれしかった。

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