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2007年10月22日 (月)

元祖むらさき観戦記-7

6.エース 大分トリニータ(0対1 勝ち点0)

 まさかの敗戦だった。
 0対1というスコアをインターネットで見たとき、胸に中に大きな穴があいたようだった。
 大分トリニータは今シーズンJ1にあがったばかりのチームである。良い選手もいる。とりわけ守備が堅く、下位に低迷するチームではあるが失点はJ1でも少ない部類に入る。とはいえサンガが負けるという予想はまるでしていなかった。
 ところが試合前、
「サンガは負けるよ」
と予言した知人がいた。熊本は遠い、というのがその人の根拠だった。
 「遠いと負けるのか?」と私はいぶかしんだ。ただの一戦じゃない、残留争いの今後を大きく左右する一戦だ。選手にとって移動距離が長いとか、遠いからサポーターがあまり応援に行けないとか、そんなことが理由になるか、と思った。
 しかし考えが浅かった。相手も、負けたくなかったのだ。

 妻といっしょに、ビデオで試合の様子を見た。大分トリニータの1点は試合前半、カウンターからの得点だった。角度のないところから、FW吉田が決めた。サンガのディフェンダーを背負ったままの強引なシュートだが、キーパーを抜けネットを揺らした。
 今年のサンガは、先制点を奪われるとまず勝てない。データ通りなら万事休すだ。ゲームは攻めるサンガ、守るトリニータという様相を明確に呈し、時間が過ぎてゆく。
 後半。サンガのピム監督がめずらしく攻撃的な選手交代をした。3人の交代枠をすべて使って、攻撃的なMFを2枚、FWを3枚にし、得点をとれという意思をとばした。
 これが効を奏した。後半33分、トリニータのペナルティエリア内で鈴木慎吾がファウルをもらう。PKだ。
 私は結果を知っているというのに、これでいける、と心が躍った。
 キッカーはエース黒部光昭。
 FC東京戦では、黒部がPKを決めたシーンをこの目で見ている。PKで得点できないことなどそうあるものではない。同点に追いつければ、時間帯からいって勝ち点1は間違いないだろう。波にのって波状攻撃をかければ、あるいは逆転も・・・。繰り返すが、私は結果を知っている。にも関わらず、画面に食い入ってしまう私。
 黒部のシュートは、キーパー岡中にはじかれた。
 私はそのシーンを何度もビデオを巻き戻して見た。PKをとめたのはキーパーだから、キーパーをほめるべきた。テレビの解説者は、そのキーパーはPKが得意だと言っていた。後でデータを見てみると、確かに今シーズン、サンガ戦を含めて彼には2度PKの機会があり、2度ともとめている。
 しかし、黒部のシュートも中途半端ではなかったか。

Photo_8
「もっと端っこに蹴らなきゃ」
妻が言った。私はサッカーの機微などわからないので、黒部のキックにどういう意図があったのか、またミスショットだったかもどうかも判断できなかった。しかし、妻の言葉にはうなだれたままさらに頭をたれた。
 サンガはその後も攻めた。決定機もあった。しかしチャンスは成果を結ばす、そのままタイムアップ。審判の笛が無情に響く。1点が遠かった。
 残留争いをしている大分トリニータに、勝ち点3をプレゼントしてしまった。大分にとって、セカンドステージ初勝利である。ここに来てなぜ苦しんでいる相手に初勝利をプレゼントしてしまうんだ、私は勝利の女神の意地悪さを嘆いた。
 仙台は東京ヴェルディと引き分け勝ち点1を得た。神戸は強豪鹿島アントラーズに勝ち、勝ち点3。この試合では、神戸のベテラン・カズが値千金の1点を奪った。「さすがキングと呼ばれる男」と、メディアはカズの活躍を大いに取り上げた。
 大分のエース吉田も、直接対決の大一番で先取点をもぎ取った。
 エースがPKをとめられたサンガは、最下位に沈んだ。

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