« 元祖むらさき観戦記-5 | トップページ | 快傑ライオン丸 »

2007年10月18日 (木)

元祖むらさき観戦記-6

5.秋の夜の   横浜マリノス戦(0対0 勝ち点1)

 義理の妹が長野県に来ていたので飯田駅で合流し、私のクルマで京都に向かった。
 四条大宮の100円パークにクルマを止め、阪急に乗って西京極で母と合流した。父は仕事の都合で来ることができなかった。こどもたちはトレーナーの上にサンガのTシャツを着込んでいる。サンガ応援用のメガホンも持ち、気合い十分だ。
 この節、仙台はジェフ市原と、大分はジュビロ磐田と、神戸は名古屋グランパスと対戦する。残留争い組は、そろって優勝争い組とゲームをするわけだ。どこも勝ち星を挙げることは難しい相手だが、ここで勝ち点を得られれば有利になる。

 初めてのホームゴール裏は予想通りの盛り上がりだった。私の携帯が何度かなったが、その音すら聞き逃してしまうほどの喧噪だ。紫一色に染め抜かれたスタンドは、サンガの勝利を信じてやまない。ゲーム開始前からすごいエネルギーがグランドに注がれていた。これがサポーターの力かと、納得させられた。

Photo_6
 私達はゴール裏左に陣取り、用意してきたパンなどで腹ごしらえをした。涼しい夜は熱燗が似合う。私は売店で熱燗を買い、息子たちにはヤキソバを買ってやった。しばらくスタジアムの喧噪に身を任せながら熱燗をすする。これは癖になりそうだ。
 ややあって、私はサポーターの姿を撮影しようとスタンドをうろつき始めた。
 サポーターは若者ばかりかと思ったが、意外に中年の方も多かった。こどももいた。みんなサンガのユニフォームを着込み、声をあげ、旗を振り、力よ選手に届けとがんばっていた。
 ファインダー越しに見るサポーターたちは、素直にサンガへの愛を表現していた。少し前までサポーターたちの熱狂ぶりには辟易していたのだが、今ではなんだか羨ましいなという気持ちになっていた。

 キックオフ。
 予想していたことだが、防戦一方のサンガ。しかしサンガが立ち上がりの悪いチームであることくらい、このころの私は知っていた。無論、点をとられやしないかとハラハラしていたが。
 今夜のゲームでは、前半はこちら側にマリノスが攻めてくる。ゴールマウスが広く見えた。そこをひとりで守るゴールキーパー平井直人はすごいと思った。またディフェンスラインを突破してくるマリノスのFW・久保も、敵ながらあっぱれと思った。
 その久保が決定的なチャンスを決められない。そうしているうち、少しずつサンガに試合のペースがやってきた。
 しかし前半は互いに決め手に欠き、スコアレスで終わる。
 妻の贔屓の選手、鈴木慎吾に精彩がなかったことが気になった。近くの席からも、「今日のシンゴは不調やなあ」という声が聞こえてきた。
 しかし、ビジュは良かった。中盤の底を起点にするビジュだが、非常に攻撃的な選手で、運動量も豊富。サンガの攻撃はいつもビジュが絡んでいたような気がする。そればかりか、守りでも貢献していた。なんだか何人もビジュがいるみたいだった。
 後半は攻めるゴールが逆になる。つまりこちら側にサンガの選手が攻めてくるわけだ。これでゴールシーンが見られたらすごいぞ、と私はずっと愛機EOS3を手放せないでいた。
 ゲームは膠着状態。しかし、決定機の数はやはりマリノスの方が多かった。サンガゴールが反対側になったので、サンガの守りは遠目でしか見られない。ボールが高くあがっても、それがゴールに向かっているのかセンターラインに向かっているのか判断しずらいので、不安をあおられた。
 2度ほど、肝を冷やした場面があった。両方とも、マリノスのFW・久保のシュートである。
 一度はキーパー平井が右に横っ飛びして空中キャッチ。スーパーセーブだ。もう一度は平井はほとんど反応できなかったものの、バーにはじき返されて助かった場面である。
 上の息子は先の平井のスーパープレイにすっかり魅せられてしまった。この時から「おれは将来、ゴールキーパーになる」と言い出した。
 ゲームは後半43分頃、サンガの選手交代でドロー狙いが明確になった。それでも攻めの意図を見せてくれたサンガだが、結果はやはりドロー。しかしマリノスから勝ち点1を奪えたことは大きい。

 このゲームのハーフタイム時、娘はサンガのキャラクター・コトノちゃんに握手をしてもらったらしい。
 今まで「サッカー、つまらん」といっていた娘だが、コトノちゃんに握手をしてもらったことがよほどうれしかったと見えて、今日はご機嫌だ。どうやら次の目当てはもうひとりのキャラクター・パーサくんに握手をしてもらうことらしく、ゲームが終わると一目散にスタンド下のフェンスまでかけよったが、それは叶わなかった。でも、娘にくじけた様子はなく、「次はパーサくんとぜったい握手する」と鼻の穴をふくらませてそう言った。

Photo_7

 西京極を後にした私達は、涼しい秋の空気を楽しみながら帰路についた。勝てなかったが、あのマリノスに負けなかった。それが心地よさを一層膨らませた。
 翌日の京都新聞では、サンガがマリノスから貴重な勝ち点1を得たことを大きく取り上げていた。私は、わが村でも京都新聞を購読することができないかと本気で考えた。母には「無理に決まってるやろ」と一蹴された。義理の妹はマリノスの選手と合コンしたことがあると言った。妻に「うらやましい?」と聞いたら、「サンガの選手とだったらね」と答えた。妻はいつの間にか紫魂女になってしまっていたようだ。
 残留争いのライバルたちの動向は、大分トリニータとベガルタ仙台が予想通り破れたが、ヴィッセル神戸は優勝争いをしている名古屋グランパスエイトに勝った。ヴィッセル神戸、なんとセカンドステージ初勝利である。
 前節の仙台といい、2003年シーズンは終盤に向け確実にうねりはじめていた。サンガは今節を終えて年間順位15位。次節は14位の大分トリニータとの直接対決だ。勝てば勝ち点で大分を上回り、降格圏を脱出するばかりか更なる勢いも出る。若いチームのサンガにとって、今欲しいのは終盤に向けての勢いだ。
 ゲームは熊本で行われる。まさに運命の一戦といってよい。
 応援に行こうかと一瞬考えたが、さすがにそれは無理。インターネットで情報を得、スカイパーフェクトTVで結果の分かっているゲームを観戦するといういつものスタイルで我慢するよりない。
 つまらん、つまらん。

|

« 元祖むらさき観戦記-5 | トップページ | 快傑ライオン丸 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/66200/8221149

この記事へのトラックバック一覧です: 元祖むらさき観戦記-6:

« 元祖むらさき観戦記-5 | トップページ | 快傑ライオン丸 »