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2006年5月29日 (月)

わんぱく相撲大会と、足とり

 昨日、下伊那郡のわんぱく相撲大会が行われ、センターのこどもがふたり入賞、団体戦でも3位と健闘しました。こどもの活躍はうれしいものです。

 でも、私はわんぱく相撲大会に大いなる不満があります。いえ、別に主催者のことをどうこういうわけではありません。

 土俵の上での勝負で、「足とり」という技を使う子がとても多いのです。

「ハッケヨイ、のこった!」の掛け声と同時に、相手のどちらかの足を両手でかかえ、自由を奪ってバランスを崩し、そして転倒させるのが「足とり」。全部で82手ある相撲の決まり手(技)のひとつですから、ルール違反ということではありません。

 しかし、不満に思うのは、体格が同じ程度の子はもちろん、体格のいい子が明らかに自分より小さい子に対してこの技を使い、勝ち進んでいって優勝したりするんです。毎年のように見られる光景です。

 「足とり」という技は、体格に恵まれない者が窮余の策として使う技だと認識しています。決まり手にはあっても、ほいほい使う技ではない。大相撲でも滅多に見ない技じゃないですか。幕内力士が使ったの、私は見たことがないです。かつて舞の海が使ったかもしれませんが、彼は本当に小さい力士だった。体重差で階級わけをしない相撲は、小よく大を制すための技もあります。足取りはその最たるもののひとつでしょう。

 それを、少年少女の健全育成の一環であるはずの「わんぱく相撲大会」の主流の技になっているなんて、なんたることか。そうまでして勝ちたいか、と本当に苦々しい気持ちになってしまいます。いえ、こどもに対してじゃありません。親や、指導者に対してです。

 「足とっちゃえ~」「こら、足とれ足!」土俵のまわりを取り囲む大人たちの声援で、実際に聞こえる声です。別に相手と体格差がなくても、あるいは体格的に有利でも、この声がやむことは稀です。私は心底情けなくなります。これは「足とり相撲大会」か???

 わが国の国技、相撲を見たことがない人はいないでしょう。NHKでは大相撲を必ず生中継で放送しています。そこで繰り広げられている相撲と、わんぱく相撲は、まったく違う競技になってしまっています。こどもがそうしているわけじゃない、大人です。

 ある先生が、「足取りをする子が所属する学校」をチェックされたら、やはりきっちりと傾向が出たそうです。ここでその学校の名前をあげるつもりはありませんが、しかしこれは、その学校で相撲で勝つために足をとれと指導している、その証左なのでしょうか。もしそうだとすれば、暗澹たる気持ちになります。どこかのスポーツクラブ(←あえてこういう書き方にしておきます)で来ていたこどもたちも、盛んに足取りをしていたことがあります。どこらへんにスポーツマンシップがあるのでしょうか。私に言わせれば、無用の「足とり」は恥知らずの技です。(いいすぎでしょうか?)

 幸い、浪合の学校は、「足とり」を潔しとはせず、立ちあいからすばやくまわしをつかみ、力と技を比べあう相撲を指導してくださっています。センターでもそれは同様です。ですから、センターのこどもたちの入賞は、実に誇りに満ちています。彼らはベスト8突破、あるいはベスト4突破のかかった勝負で、それぞれ足とりに敗れました。でも、私は思います。彼らは勝負には敗れても、心では勝っています。少年少女の健全育成のための「わんぱく相撲大会」ということを考えたとき、本当の勝者がどちらか、明らかでしょう。

 かつて一度、3年生の個人戦優勝決定戦で、浪合の子が相手に足をとられるも、それを渾身の力でふりほどき、豪快に投げ勝った勝負を見たことがあります。土俵のまわりには、実にさわやかな賞賛の拍手と歓声が鳴り響きました。しかし、その2年後、やはり同じく3年生の個人戦優勝決定戦で、浪合の子が相手に足をとられたまま敗れた勝負がありました。この時のなんともいえない土俵まわりの気まずさ。喜んでいるのは、勝った子の関係者だけ。その他のギャラリーは苦笑いを浮かべています。そりゃそうでしょう。それがまともな神経ってやつです。しかしそんなギャラリーも、自分の子が土俵にあがると、何割かの人が「足とれ~」と叫んでしまうのです。

 冒頭、主催者に文句はない、と書きましたが、しかし主催者にも考えていただきたい。これは「足取り相撲大会」なのですか?私は覚えています。数年前、主催者代表の方が閉会の辞で、「足とりばかり使うのはよくない。正々堂々と戦ってほしい」という趣旨の発言をされました。私はまったくわが意を得たりでうれしい気持ちがしたもののです。しかしその後、何か変化があったかといえばそんなことはありません。禁じ手にすることはないと思いますが、しかし「わんぱく相撲」は教育の一環なのだから、行司がこの対戦における足とりが適切でないと判断したら、そのことを勝負の最中でも宣言して、仕切りなおしにするなどすればどうか。あるいは体重をはかって「両者の体重差が○○キロ未満につき、足とりを禁ず」と宣告してから立ち会わせるとか。

 足とりに来ることがわかっているなら手の施しようもありそうなものですが、小学生の身体能力でそれを求めるのはどうやら酷なようです。その証拠が、ここ10年ほど続く、下伊那の「わんぱく相撲大会」における「足とりブーム」なのです。

 ・・・実は今年、センターの子も足とりをして勝った子がいました。しかし彼は「どうしても勝ちたかったから足とりしたけど、しなきゃよかった。うれしさも半分くらいだ」と後悔しています。「次は足とりしないでも勝てるようになる」そう言っています。昨日お世話になった古武道の先生は、「なかなか結果がでない。うまくならない。だから、いいんです」とおっしゃっていました。本当にそうだなあと思います。

 勝つことは大切ですが、何に勝ちたいのか、それを見失っちゃ、いけませんよね。

 

 

 

 

 

 

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コメント

わんぱく相撲のルールについて、ネット上を検索していたらこの記事を見つけました。
足取りについてはとても共感が持てます!
息子もやはりこの足取りにやられました。
私は子供達には「足取りはやるなよ。」って教えていましたので、平気で足ばかり狙ってくるやつは卑怯者ににか見えませんでした。
足取りで勝ったやつには回りも「きたねーやつ!」と野次が・・・
それをやらせる親にもやはり問題ありですね。
せめて両手で相手の片足をもったら反則とかのルールを作ってほしいものです。
足取りがこのまま了承されていくようなら わんぱく足取り合戦 に改名してもいいくらいじゃないかと・・(^^;
それは言いすぎかもしれませんが、正々堂々と正面からぶつかっていくわんぱく相撲が見たいものです。

今頃のコメントでしたが、同じような気持ちの人がいたことがうれしかったです。

投稿: 近所の通りすがり | 2009年3月23日 (月) 14時57分

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